スクロールの振る舞い
クライアントサイドのルーティングを使っている時に、新しいルートに対してスクロールをトップへ移動させたいかもしれません、もしくは実際のページリロードがしているように history 要素のスクロールポジションを保持したいこともあるかもしれません。 vue-router
ではこれらをさらによく実現できます。ルートナビゲーションにおけるスクロールの挙動を完全にカスタマイズすることができます。
注意: この機能は ブラウザが history.pushState
をサポートしている場合のみ動作します。
ルーターインスタンスを作る時に、 scrollBehavior
関数を提供できます。
const router = new VueRouter({
routes: [...],
scrollBehavior (to, from, savedPosition) {
// 望みのポジションを返す
}
})
scrollBehavior
関数は to
と from
のルートオブジェクトを受け取ります。第 3 引数の savedPosition
は popstate
ナビゲーション (ブラウザの戻る/進むボタンがトリガーされた) 時のみ利用可能です。
この関数はスクロールポジションオブジェクトを返すことができます。そのオブジェクトは以下のような形式です。
{ x: number, y: number }
{ selector: string }
{ selector: string, offset? : { x: number, y: number }}
(2.6.0 以降においてだけ offset はサポート)
もし falsy な値や空のオブジェクトが返った場合、何もスクロールは起きません。
例:
scrollBehavior (to, from, savedPosition) {
return { x: 0, y: 0 }
}
これは単純に全てのルートナビゲーションに対してページスクロールをトップにします。
savedPosition
を返すことは結果的に戻る/進むボタンを押してナビゲーションした時にネイティブのような挙動になります。
scrollBehavior (to, from, savedPosition) {
if (savedPosition) {
return savedPosition
} else {
return { x: 0, y: 0 }
}
}
もし"アンカーへスクロール"の振る舞いをシミュレートしたい場合は以下のようにしてください。
scrollBehavior (to, from, savedPosition) {
if (to.hash) {
return {
selector: to.hash
// , offset: { x: 0, y: 10 }
}
}
}
きめの細かいスクロールの挙動コントロールを実装するために ルートメタフィールド も利用可能です。詳細な例は こちら をご参照ください。
非同期なスクローリング
2.8.0 で新規
期待する位置記述子 (position descriptor) に解決されるプロミスを返すこともできます:
scrollBehavior (to, from, savedPosition) {
return new Promise((resolve, reject) => {
setTimeout(() => {
resolve({ x: 0, y: 0 })
}, 500)
})
}
スクロールの振る舞いをページの遷移とうまく合わせるために、ページレベルのトランジションコンポーネントからのイベントにフックすることは可能ですが、ユースケースにおいて可能性のある食い違いと複雑さのために、単純に特定のユーザランド実装を可能にするために、このプリミティブな機能を提供します。